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2006年5月23日 (火)

一番遠くにあって欲しいもの。

JR東日本の遅延、音が一向に鳴らないiPod、すし詰めの車内、繰り返すアナウンス。全てに苛立つ私。でもコレは次に襲い掛かる序章に過ぎなかったのだ。ようやくのことで会社に着き間髪容れずの朝礼で、予期せぬ部長からの一言。「副会長がご逝去されました」…。私語を一切必要としなかった役員は、体を壊してずっと会社に来ていなかった。厳しい人だったので粗相をしないようにと考え、私が出来得る限りの礼儀は尽くした…つもり。それが役員にとってプラスに働いたかどうかは別として。

不釣合いな百合の花を抱えた自分が役員室の大きな窓に映った。この儀式が家族ではない者が最初に実感する「永遠の別れ」だ。机の上を飾る白い花々が役員室で静かに来訪者を迎える。入退院を繰り返していたので、消毒液の匂いがかすかに漂っていた役員室も、今は百合の甘い香りで満たされている。役員と結びつかないその強い香りが主の居ない役員室をより一層異様なものとしていた。

不自由な体を脱ぎ捨て、手に入れたばかりの羽で今頃自在に空を飛んでいるだろうか。限りある命に、最期は必ずやって来る。でも哀しいことは一番遠くにあって、私の前にできる限り現れて欲しくない。

葬儀の日、泣き出しそうだった空は堪えきれずいつしか雨が降り出していた。

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コメント

更新がないから気になってたんだ。
人の死、って間柄がどうであってもいろんな事考えちゃうよね。考えさせてくれるといった方が良いのか。
年上の知人がね、一定の年齢すぎちゃうと、人の集まる所ってこうゆう時しかないのよ。なんて言ってた。
ホント、出来るだけ遠くにあって欲しいよね。
amoっち!一度きりの人生。頑張ろうぜ!!!

投稿: 羽音 | 2006年5月24日 (水) 14時14分

ココ1、2年。本当に社内で不幸が多かったの。あたくし会社に長くいるし、部署柄葬儀のお手伝いがやたらと多くてね。机の上の白い花を見るたびに凄く哀しい気分になった。


羽音っちのお知り合いが言う意味ちょっと分かるなぁ。同期(女子)とかもみんな結婚してママになったりしてるのよ。どんなに仲が良くても生活時間が変ってきちゃうから昔のようには会えないわけ。で同期って言ってもやっぱり中にはちょっと疎遠になってる子もいるわけで。そうするとやっぱり冠婚葬祭で会うのが多くなるよね。あたくしの年だとビミョウに結婚式があるからそっちの方が多いけどさ。あー!あたくしの結婚式でみんなを呼び集めてあげたい♥・・・っていつなのかしら?おいらの嫁入り。

投稿: 羽音っち♥ | 2006年5月24日 (水) 22時57分

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